激動の医薬品業界について考える

MS歴14年選手の現場観ブログ

医療用医薬品出荷調整品目について

対象:ALL

 

医療関係者を困らせてしまうことの1つは、医薬品が届かないこと。

そうです、医療用医薬品の「出荷調整」は医療現場を時として混乱に陥れます。

現在、製薬メーカーで出荷調整品目となっているものは171品目あります。(同一品目別規格もカウント)

 

出荷調整となってしまう原因は

・製造工場自体が定められた規格に満たない為。

・承認規格に適合した製品の製造ができない為。

・自主回収後、適合品の出荷が間に合わない為。

・原薬の調達が困難である為。

etc...

以上が挙げられます。

 

そしてこれらの薬剤の流通は、下記のいずれかの状況となっています。

①製造自体できておらず、全く流通していない。

②製薬量に限りがある為、既存で使用されている医療機関分のみを該当卸に出荷している。いわゆる「紐付き出荷」。

③製薬量に限りがある為、製薬メーカーが製造した分の量を、各卸の実績で按分して定期的に出荷している。

etc.....

 

品目の詳細をブログに記載するのは差し控えますが、③に該当する製品には、「えっ、これも出荷調整なのっ?」というものもあります。

それくらい、現在は注文後にスムーズに入るのですが、少しでも需要が増してしまうだけで、供給が追いつかなくなるような製品、そういったものが該当しているようです。

 

そのような中で、急遽出荷調整の知らせがあった際には、医薬品卸のMSとしては、製品の代替品の提案を致しますが、医療機関の方々は、極力採用品目を変更することは避けたいですし、変更したとしても同一成分、または同種同効品に留めたいところです。

 

しかし、知らせを受けた医療機関は代替品確保に急ぎますので、あっという間に同一成分など近しい製品が市場から売り切れてしまいます。

本来は、そういった製品の販売に卸側は数量規制をかけなければならないのですが、それを上回るスピードで受注してしまう為、結果的に間に合わなくなってしまうのです。

 

間に合わなくて、類似品の調達ができなくてもいい、という方はいいと思いますが、情報を最速で入手し、代替品調達をスムーズに入手したいという方は、、、

 

MSをうまく使ってください!

MSとの関係が良ければ、情報がすぐに入り、当該品目の確保や、同一成分確保など、選択肢がある中で対処ができます。(情報入手ができないMSもいます)

 

関係が悪ければ、情報が入るのも遅く、入っても既に選択肢が残されておらず、代替品すらも手に入らないことがあります。

 

ブログだからこそ言えますが、MSも人間ですので、お得意先の優先順位をつけてしまいます。

MSは、業者ではありますが、味方につけると、何かあった時にきっと役に立ちます。

いや、お得意先の役に立ちたい、と純粋に思って普段ルートセールスをしているのです。

 

ですので、今後も医薬品の自主回収や出荷調整は不定期に起きますが、そんな時に最善の対処が取れるように、情報入手の早い、アンテナが高いMSと良好な関係構築をすることをお勧め致します。

 

※出荷調整品目一覧をお知りになりたい方は、個別にご連絡いただければ、お伝え致します。