激動の医薬品業界について考える

MS歴14年選手の現場観ブログ

製造販売中止について

対象:薬剤師の方、医師の方、MRの方、MSの方

 

本日は、毎月のようにリリースされる医薬品の製造販売中止のお知らせさせていただきます。

11月に把握した分になりますのでご了承ください。販売移管(他のメーカーに移り販売する)は除き、市場からなくなる製品について記載致します。

 

共和クリティケア

ランソプラゾールOD錠15mg・30mg「DK」

 

沢井製薬

ジソピラミドカプセル50mg・100mg「SW」

ランソプラゾールカプセル15mg・30mg「MED」

 

武田テバファーマ

ランソプラゾールOD錠15mg・30mg「テバ」

 

日医工

オイテンシンカプセル40mg

ラシックス細粒4%

 

日本ジェネリック

ラニチジン錠75mg・150mg「JG」

 

ニプロ

アクリノール消毒液0.1%「NP」

タクロリムス軟膏0.1%「NP」

ホモクロルシクリジン塩酸塩錠10mg「NP」

 

ノバルティス

スローケー錠600mg

 

ブリストル

ジメンシー配合錠

 

吉田製薬

アクリノール0.1%・0.2%・0.5%液「ヨシダ」

 

ファイザー

アクリノール「ホエイ」

アミノ安息香酸エチル「ファイザー」原末

エダラボン点滴静注30mg「ファイザー

塩酸テルビナフィンスプレー1%「マイラン」

吸水クリーム「ファイザー

ケトプロフェン坐剤75mg「SN」

ニザチジンカプセル75mg・150mg「ファイザー

尿素クリーム20%「SN」

ブテナフィン塩酸塩スプレー1%「ファイザー

プラミールシロップ0.1%

ラモセトロン塩酸塩静注液0.3mg「ファイザー

 

以上になります。

 

既に在庫が消尽している製品もあれば、またまだ在庫があるものもあります。

 

医薬品製造の中止理由は大きく3つの理由があります。

①採算が合わなくなる為。

②同一メーカーの重複販売状態解消の為。

③原薬調達難航など製造上の理由の為。

 

①製薬メーカーは民間企業です。

しかし、厚生労働省の承認の下で流通を始めた為、安定供給が原則です。ただどうしても、造れば造るほどマイナスになるものもあるようです。そういった観点から、民間企業ですので事業継続の為にやむを得ずに中止、という結果になるものがあるのです。

例えば、採算が取れない、いわゆる「不採算品目の代表格が、大塚製薬の生食などの水ものです。本来なら不採算であれば中止にしたいところではないかと思うのですが、流通量が多く、医療上欠かせない為に、厚生労働省は、薬価の引き上げを行いました。

少しでも採算性を高め、安定供給してもらうことが必須だからです。

このようなことがありますので、採算が取れない品目で、代替品がある製品は、お役目を終え中止になります。

 

②の内容としては、今回の中止品目にあります通り、武田テバのランソプラゾールOD錠がテバ時代の製品を中止し、9月に発売した製品を販売継続します。

「テバ」→中止

「武田テバ」→販売継続品

以上のような見分け方になります。

 

沢井製薬のランソプラゾールカプセルも同様ですね。メデイサ新薬からの導入品というかたちで販売していたものが中止となり、自社のものを販売継続します。

「MED」→中止

「サワイ」→販売継続

以上のような見分け方ですね。

 

いずれも、先に挙げました通り、1社が同一成分を重複して販売する、という無駄を排除する為です。

後発品だけでなく、先発品でも同様のことが起きています。

サイレースロヒプノールです。

ロヒプノールエーザイに販売移管になるに伴い、同一成分を2製品抱えることになった為、ロヒプノールは中止になりました。(経過措置期間:2019年3月)

 

このようになったきっかけは、製薬企業の統廃合販売移管です。

今後、製薬企業の再編も加速する、と言われている中で、今後も同じようなことが流通上起きてくることが考えられます。

 

昨日、ポーラファルマが印サンファーマに買収されるというニュースが入りました。

皮膚科領域で頑張られていた製薬メーカーですが、今後は皮膚科領域やオンコロジー領域、後発品領域で拡大化を目指すそうです。

 

ポーラさんも後発品を発売していますから、屋号の変更も行われるでしょう。

 

企業の再編の話をしましたが、卸こそ再編が間近でしょう。

そんな雰囲気がプンプンします。

まぁ、この話はまた別にさせていただきます。

 

製造上の都合による販売中止もあります。

製造上の都合とは、原薬調達が難航したり、製造が継続できないケースです。

このことについても、改めて触れさせていただきたいと思います。

ホスレノールOD錠の後発品の件などにも触れたいと思います。

 

以上のような理由から、市場で流通していた医薬品が中止になるということが頻繁に起きているのです。

今回お知らせした中止品も、大体は上記3点のどれかの理由によるものがほとんどでしょう。

 

今後も定期的に製造販売中止情報をアップさせていただき、皆さまのご参考になれば幸いです。

 

お目を通していただきありがとうございました。

今日は帰宅後に、イケアで購入したソファの組み立てがあり、非常に疲れました。

皆さまも大変お疲れ様でした!!